今 ちびが学校で教わっているのは
「ちいちゃんのかげおくり」だ。

あまんきみこ作
20161012b001
↑はポピー・教材画像

毎日音読で、少しずつ読んでいるのだが、ものすごく続きが気になる話。
かわいそうであり、なんか怖い話である。

お父さんは?

お兄ちゃんは?

お母さんは?

そしてちいちゃんは? と、続きが気になる。


この話のあらすじは、

いくさ(本文には戦争という言葉は出てこない)が続き、体の弱いお父さんも出征しなくてはいけなくなった。
ちいちゃんの家族は、父母兄。

出征(軍隊ではないが戦地へいく)の前に、
「影送り」という、晴れた日に地面を10秒見て、空を見上げると残影ができる遊びをした。
家族4人で影送りをすると、家族4人が空に映る。

その思い出を残し、父はいくさへ。

ちょうどその頃、ちいちゃんの町にも空襲が起きる。
お母さんは2人の子供の手を引き、火災から逃れるため橋へ向かう。

途中お兄ちゃんが転び、お母さんが背負っていたが、混雑していて見失う。
ちいちゃんは通りすがりのおじさんに橋まで連れて行ってもらう。

空襲がおさまり、家に帰ろうとしたら、近所のおばさんがいて、一緒に家に向かう。

が!家は焼け落ちていた。

「お母さんとお兄ちゃんはいないけど、帰ってくる」と言ったちいちゃんをのこし、
置き去りにして、近所のおばさんは親戚の家に向かってしまう。


そして、その日以降ちいちゃんは
防空壕で過ごし(たぶん家)少しの「固まったご飯」でしのぐ。

2日たった朝、晴れていて目が覚めた。

空からお父さんの声が聞こえる。
一緒にかげおくりしよう と。

そして、お母さんとお兄ちゃんの声も聞こえ、4人が空にうつった。

そうしているうちに、体が軽くなって、花畑に自分がいた。

そこから視点が代わり、
夏の始まりに命が空に消えていった。
今その場所には公園がある。

で、話は終わる。

この話の、常に続きが気になるところは「死んだ」 と、表現されないところ。
結果的にはお父さんも、お母さんも、お兄ちゃんもいつの間にか死んでいたのである。


内容から(死んでいるだろうと)察しはつくけど、
どこか 生きていて最後は出会える だろう。
と、音読を聞くたびに思った。(毎日2ページほどなので)

家族4人が、3カ所それぞれの場所で短期間に命を落とすとは想像つかないから。

よくよく考えると、ちいちゃんは不幸続きだ。

お父さんに戦地へ行かれ
空襲をまのあたりにし
逃げている途中で兄が怪我をし母がおんぶし
途中ではぐれ
助けてくれたおじさんはすぐにいなくなり
近所のおばさんは置き去り。
非常食しかなく、
1人で2晩すごし、
すでに家族3人死んでいて
ちいちゃんも天国へ行った。

最後は家族が出会い 美化されている感じだけど、
大人の事情と、心情も垣間見える。


父が戦争に出向く際
病弱なのに行かなくてはいけなくなったそうでちょっと母親は愚痴をこぼす。
言い方が悪いと、病弱だから行かなくて済んでいたわけで、すでに周りは出征していた。
ちいちゃんは 母のポソっとこぼした話に反応しなかったけど、
病人でも戦地に行かなくてはいけないほど大変だった と、読むべきだろう。
今の時勢であれば、病気だろうが皆平等 と言う感じだが。

イラストから見て、明らかに幼いちいちゃんの
「家族が帰ってくるから」の言葉に、
かける言葉もなく親戚の家に逃げた近所のおばさん。
今でこそ「逃げた」 という表現ができるが、ここも連れて行く、他人の面倒を見る余裕はなかったととれば良いのであろうか。

あまんきみこさんは、戦争で家族全員死んでしまったことをこの話で表現したかったと思われるので、
死因や自分勝手ともとれる所はわかりにくくしている。
(そもそも教科書のために書いたわけでは無いと思うし)


この話は大人がうまくフォローをしないと本当に伝えたいことが伝わらないかもと思いました。
イマドキの子は「死」がよくわからないのです。
というか、比喩の授業なのかなとさえ思ってしまう。

子供らはサンタクロースを本気で信じているくらいですから、
この話も空に別の世界があるかもくらいしか思っていないと思う。

話途中に「死亡」的な「死」の表現は出てこないので、先生がちゃんとおしえないと、
うちの子供さえ
やっぱりどこかで家族は生きているのかな?となってしまう。←昨日の話
(私もそう思いたい)

ちなみに、
ちいちゃんが空へ行くときも、お腹がすいて軽くなってと言う表現で、
最後に命が空にと、ちいちゃん以外の目線で書いてはあるが「死んでしまった」とは表現はされない。

3日前まで走る気力もあったから実際の所、餓死ではなく実際は熱中症や脱水症状、
もしくは再び突然の空襲が死因ではないかとおもうが。

深読みしすぎると、ちいちゃん以外の3人は生きている可能性まであるし。
※ストーリーがちいちゃん目線で書いてあることと、最後に女の子の命が消えた とあるが、家族と共にとは書かれていないしね。でもここは、ちいちゃん目線を信じて良いと思うのだが。

戦争を教えたいのか
深読みさせたいのか
比喩を教えたいのか
比喩にしたって、それぞれがどのように死んでしまったかははっきり考えても良いことだろう と、
この話を読んで思いました。

ちいちゃんのかげおくり (あかね創作えほん 11)

ところで、この話の かげおくり・影送りですが、名称は知らなかったのですが、
私が子供の頃、中学年くらいの頃に教頭先生が教えてくれました。

10秒凝視して、空を見ると自分がうつるよ とのこと。
何度見てもうつらなくて、
うつったうつったとさわぐ友達を見て疑問でしたが、
当時30年くらい前、おじいちゃんではない年齢だった教頭先生。
いろいろ教えてくれたことを今でも覚えています。
当時教頭先生が補助に来ることは滅多になかったので特に。

この世代の、大人の言葉はかなり残るので、余計な事は言えませんね・・・。
そして大事な事はちゃんと言わないとです。

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